「色泣き」というのをご存知でしょうか?〜原因と対策〜

みなさん、こんにちは!前田ネームのweb担当 前田です。

さて、今日のテーマ「色なき」について書いていきたいと思います!!
繊維業界に飛び込んだばかりの頃の私は「色なき」がさっぱりわかりませんでした。
色?が…泣く?…ん??? どういうこと…?!ていう感じで、プチパニック状態でした。笑

ようやく…ごく僅かですが知識もついてきたので、ちょこっとお話したいと思います。

 

色なきとは・・・。

例えば、衣料品が雨などで濡れた場合に、染色部・プリント部から白色部分や淡色部分に染料が移動して色が泣き出したように見える現象のことです。滲みですね。「ブリード」ともいわれることがあります。

 

色なきの原因と改善

色なきの原因は色々あります。その中で、よく起こる原因の一つに「ソーピング(洗い)不足」があります。染色やプリントをする際に染料を使用するのですが、印刷に使用した染料の全てが繊維と結合するわけではありません。プリント後に、熱をかけて発色させるのですが、このときに結合しなかった(残ってしまった)染料は、繊維上にポンッと乗っかっているだけの状態です。(そんなイメージです・・。)繊維と染料が結合していないので、染料がどこにでも移動できる状態になっています。この繊維と結合しなかった未染着の染料を、ソーピング工程(洗い工程)でしっかりと洗い落とさないと、後々色泣きのトラブルに繋がる可能性が高くなります。そこで、水洗いやフィックス処理(色止め)を徹底するということが大切です。

色なきの試験方法

色泣きの試験方法は、JISでは決まっておりません。
一般的に、大丸法が使われています。
1番よく使われている試験方法です!(。。。あの有名な百貨店が開発した方法です!)

【試験方法】
①試料の調整は、プリント柄や縞柄生地の場合は細長く切ったものを試験片とし、
無地の場は.5cm×3cmの試料を長さ約20cmの綿添付白布と縫付け試験片とします。
②0.05%非イオン界面活性剤溶液の入ったビーカーに、試験片の片端を2cm浸漬します。
③2時間放置した後、ビーカーを取り除いて自然乾燥し、白場又は添付白布への汚染の程度を判定します。

【試験結果】
グレースケール

*汚染用グレースケール4号と同等または濃い場合: 色泣きあり又は4級以下の等級
*汚染用グレースケール4号より淡い場合: 色泣き僅かにあり又は4-5級
*汚染がない場合: 色泣きなし又は5級

【試験結果の例】

色なき試験の結果

反応染料による色なき

症状:異常品の場合、水濡れで染料が泣き出し白場を汚染 ※下の画像
原因:洗浄の不足

【イメージ】:白生地にプリントした花柄をプリントしたあとに色なきしている
色なきの症状
※赤色が1番色なきしやすいです。。。

 

分散染料によるウレタン汚染による色なき

【条件】
濃ストライプ部分:PET/ウレタン混糸 分散染料染
白ストライプ部分:綿糸 染めなし

【異常品】
症状:ミシン油付着によりウレタン部分から分散染料が泣き出し、綿の白部分を汚染。
原因:還元洗浄不足

【修正品】
対処方法:再度、十分に還元洗浄を行った結果、ミシン油を付着しても泣き出さなくなった。

※上部の説明を表したのが下の画像です。
分散染料使用時のウレタン部への汚染

結果:色なきの事故は、十分な洗い(ソーピング)を行えば防止できます。

色なきを防ぐためには十分なソーピングが必要です!

ソーピングに使用するソーピング剤のはたらき

これまで、色なき防止には、洗い(ソーピング)が大事と言ってきましたが、
洗いのときに使用するソーピング剤の役割を説明します。

【分散染料除去のメカニズム】
分散染料除去のメカニズム

前田ネームの染料プリント

前田ネームの染料プリントは、分散染料・分散染料を使用しています。※インクジェット・スクリーンプリントともに染料を使用しています。
染料によって、それぞれ処理方法も違うのですが、その生地に適した処理をしっかり行っているので堅牢度の良いものができます。

 

インクジェットの詳細ページに進みます▶

スクリーン印刷の詳細ページに進みます▶

前田ネームのインクジェットプリントは、分散染料(ポリエステル用)と酸性染料(ナイロン用)の2種類しか対応しておりませんでしたが、ついに、反応染料のプリントも始めました〜!
夏を目の前にして・・「冷やし中華始めました〜♪」くらいの勢いです笑

 

【インクジェット 綿素材 プリント例】
綿素材 インクジェットプリントネーム

綿、麻、レーヨンにプリントしたい!というお客様、インクジェットでは、スクリーンプリントとは違い、色数制限もなく、グラデーションや、写真のような多彩プリントが可能です!インクジェットプリントや昇華転写プリントはポリエステル素材が一般的です。特に最近よく耳にする、昇華転写プリントは基本的にポリエステル素材のみです。しかし!!前田ネームでは、インクジェットでも反応染料が使用できるのです!ということは!綿素材・麻素材・レーヨン素材へフルカラーのプリントが出来ちゃう!ということです。これまで、反応染料を使用したプリントはスクリーンのみでしたのでインクジェットにも対応出来るようになったのは、まさにBIG NEWSです!

興味がある方は、〇〇にインクジェットでプリントしたい!等、一言でも構いません。
お気軽にお問い合わせください。まずは私、WEB担当前田がご対応させていただきます。

 

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